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日本では先日、新紙幣発行が無事に行われ、一部のひとが心配していた「預金封鎖」は起きていない。(しかし今後も油断はできない)
海外に目を向けると、「お金のデジタル化」や「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」「ステーブルコイン」の普及に向けた取組みが日々進んでいる。
今回はオーストラリアがすでにリリースしているステーブルコイン、その名も「AUDD」について紹介する。
今回のAUDDはオーストラリアのステーブルコインではあるが、日本でもステーブルコインの普及活動は進められており、他人事(他国事)ではない。
AUDDの概要に触れることで、今後日本でも同様なステーブルコインが出てくる社会をイメージする何かの役にたてば幸いである。
AUDD はステーブルコインであり、発行者である AUDC Pty Ltd が保有するオーストラリアドルまたは短期国債に 1:1 で裏付けられている。
AUDDという名称は「オーストラリアデジタルドル」の略である。
AUDC Pty Ltdは、ブロックチェーン技術プラットフォームを専門とするオーストラリアの金融技術会社。Novatti Groupが大部分を所有している。
AUDDを利用することで以下のメリットがある;
オンラインでの支払い、ビジネスでの決済、輸入者または輸出者としての貿易決済、国境を越えた決済のいずれの場合でも、AUDD を使用することが可能となる。
「ステーブルコイン」とはについては、以下のJAPAN OPEN CHAINのwebサイトにわかりやすい図示があるので参照いただきたい。
https://www.japanopenchain.org/stablecoin
ステーブルコイン; AUDD で行われたすべての取引はブロックチェーンに記録され、透明性と追跡可能性を提供する。
この機能は、送金会社が世界的な金融規制へのコンプライアンスを維持し、顧客に明確な取引記録を提供するのに特に役立つ。
いつ、だれが、どこにステーブルコインでの決済・送金を行ったのかが、ひとつ一つ細かく記録されていく。
AUDDの利用手順は以下の3step;
1) AUDD Digitalプラットフォームでアカウント登録
2) AUDDを購入
3) AUDD Digitalプラットフォームを介して、Ethereum・Stellar・RippleでAUDDを購入・交換する
現状は上記のような流れでAUDDを入手可能となっており、スムーズに利用できるとは言い難い。
AUDD Digitalプラットフォームは以下のURLからアクセス可能;
「Sign up」をクリックすると、アカウントの種別選択画面に進む仕様となっている。
「Individual」(個人)をクリックすると、以下のような情報入力を求められ、サインアップ完了となる。
AUDDのwebサイトでは、AUDDを入手するためのswap操作画面も準備されている。
上の図でいうと、Circle社が提供する「USDC」ステーブルコインから、「AUDD」ステーブルコインへの交換が可能となっている。
USDC以外にも多くの暗号資産からの交換が可能となっている。
(上記のswapツールは Cow Protocolというサービスにより実現されている)
AUDD はマルチチェーンソリューションであり、複数のブロックチェーンで利用できる。
AUDD は現在、Ethereum、Stellar、XRP Ledger に導入されている。
▼Stellarの発行アドレスは以下;
▼XRPLedgerの発行アドレスは以下;
https://xrpscan.com/account/rUN5Zxt3K1AnMRJgEWywDJT8QDMMeLH5ok
そして2024年9月12日、AUDDはHedera foundationと提携し、Hedera Network上にもローンチされた。
Stellar、XRPLedger、そしてHederaといった、これからのデジタルなお金の基盤となるネットワークに順次展開されていっている。
このような主要なDLTネットワークへの順次展開は、他国のステーブルコインも同様の展開が予想される。
AUDD を Hedera ネットワークに統合することで、高スループット、低レイテンシ、エネルギー効率で知られる Hedera ネットワークの最先端技術のメリットがもたらされます。
Hedera ネットワークは、1 秒あたり数千件のトランザクションを処理できる能力が際立っており、ファイナリティ時間は 1 秒未満であるため、リアルタイムの金融アプリケーションに最適なプラットフォームとなっています。
これらの機能により、AUDD は企業や消費者に、より高速で効率的、かつより安全なデジタル トランザクションを提供できます。
AUDDステーブルコインを法人や個人が利用し始めるには、まだまだアカウント登録の手間や使いにくさがあります。使いにくいものは社会浸透しにくいです。
今後世界的に「デジタルなお金の社会」「現金のない社会」に進められていく中で、どのようなできごと・きっかけによって、ステーブルコインやCBDCといったデジタルなお金に舵取りされていくのか、すなわち、デジタルIDの普及が遂行されていくのか気になるところです。
(日本でいうと、マイナ保険証の推進も、デジタルIDの社会浸透の一環であると考えられます)
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以上